政権交代と日本の政治の行方 

                                   ・・・・・ 日本・ツロ化への大変化の可能性      09 9月24日



                1. 衆議院選・民主党の大勝利
                2. 民主党議員の霊性
                3. 日本ツロ説による予想 + 霊の見分け



  1. 衆院選・民主党の大勝利:


  (1) 民主党の大勝利:


  去る8月30日の衆議院選挙で、民主党が308議席(480議席中)を取り、119議席の自民党を圧倒的に引き離し、単独過半数(安定多数)の第一党となった。小選挙区の投票率は過去最高の69.28%となった。
  自民党が野党へ転落したのは1955年保守合同により成立して以来初めてであり、1998年成立した民主党が政権を握るのも初めてである。今回の政権交代は、日本の政治形態の非常に大きな変化となる可能性がある。民主党に対する国民のアンケートでは、日本の将来に真剣、しがらみが少ない、そして、麻生政権よりはまし、といった意見が聞かれた。
  ただし、この選挙戦は、民主党の新人が143人にも上り(このうち100人程が”小沢チルドレン”と呼ばれる)、小沢代表代行の手腕によるところが大きかった。鳩山代表は、来年7月の参議院選に備え、小沢氏を幹事長に任命し、(自衛隊派遣や国際協力で意見を異にする)社民党を含めず、ねじれ国会状態にならないよう民主党の単独過半数を狙っている。

  今回の選挙では、日本国民は、とにかく”変化”を求めたといえる。 日本国民は、1990年代からの経済成長の行き詰まり、日本の産業構造の変化、特に、昨秋からの金融危機以降、日本を支えていた輸出関連の製造業(自動車、家電)の業績悪化や、小泉改革以来の格差拡大、財政破綻、企業倒産・失業率増加、年金問題などの不満により、麻生総理個人や自民党のいくつかの問題もあわせ、従来の長きに及んだ自民党政権からの政権交代を求めた現れである。自民党のいろいろなしがらみ(特に、財界、金融界との)を一度断ち切って日本の政治が動きやすくなるという意義がある。
  ただし、アンケートの結果から、国民は民主党や鳩山代表ににそれほど期待しているわけでもない。民主党のマニフェストに掲げられた実現不可能とも言えるいくつかの公約は、政権の座についた時点で現実路線になると人々は見ている。

  民主党はマニフェストで”政治家主導”(すなわち、”国民の目線で考える”という程度の主導権)の政治を掲げ、国家ビジョンや予算の骨格を策定する 首相直属の”国家戦略局”を設立し、脱官僚(脱官僚依存)を推進することを主張しているが、その法整備はこれからであり、財務省などへ指示を与えるための権限の所在が未だ不明確である。


  にせユダヤが作った グローバル資本主義は、ここ20年間の世界経済を大いに活性化させ、中国などの新興国がここまで成長でき、世界経済は年率5%もの急成長を遂げることができた。 しかし、資本主義の本質は”投機”であるため、儲かりそうな情報により投資が殺到し、損をするという情報により一斉に売りに転じる。その結果、バブル崩壊と世界大不況が起こり、貧困層の増大と社会の崩壊が起こり、また、地球環境の加速的な破壊が伴った。
  (* 最近、それにも懲りずに、ウォール街の”円卓会議(JPモルガン・チェース、シティー・グループなど)”は、米財務省が予定している金融規制改革(リスクのある金融商品から消費者を守るため)としての「消費者保護庁」の設立に猛反対している。しかしオバマ大統領は、無謀を許した歴史を繰り返さないと、断固これを推進すると言っている。 ・・・ ユダヤ人は憎まれ始めている)

  その中で、かつて”平等社会”と言われてきた日本も、現在、貧困率が14.9%であり、先進国中アメリカ(17.1%)に次ぐワースト2の貧困大国になってしまった。(* 貧困率: 所得再配分(所得税、社会保障給付)が行なわれた後の、中位所得者の半分以下しか稼げない層の比率。 因みに、社会保障が行き届いている北欧では5−6%。また、アメリカの貧困層が受ける医療水準は、隣のキューバよりも低いといわれる。アメリカには健康保険に入れない人が5000万人いて、彼らが手術等を受けるとたいてい破産してしまうそうである。)
   国が巨額の財政赤字を抱え、都市と地方の格差は拡大し、中国・北朝鮮の台頭への対応を迫られている。また、国内には現在、パートや派遣などの非正規雇用者(1690万人)が正規雇用者の3分の1を占め、収入格差が教育機会の不平等を招き、貧困層を固定化させる恐れがある。
  また、日本社会の持っていた”一体感”、”暖かさ”、”安心・安全”、”信頼関係”などが損なわれてきた。 さらに、グローバル資本は規制の緩い地域に投資先を変えるため、地球全体の環境破壊は加速する。
  このように、グローバル資本をさらに推し進めた”新自由主義”を推進するならば、金融危機も、格差拡大も、社会の棄損も、環境破壊も止まらない。我々が緊急に問い直さなければならない課題である。



  (2) 政策課題(案):


  本格的には民主党が参議院の過半数の議席を獲得してからであるが、現在進行中から今後にかけての課題について提案したい:


  @ 日本の産業構造の問題: 日本の産業、特に、輸出関連の産業は製造業に支えられてきたが、今は拠点をアジアなどに移している。このような産業構造の不均衡を吸収すべく、今後は農業などの1次産業や地場産業を振興し、都会に働く人々を地方で吸収する必要がある。日本の食料自給率は先進国中で最も低い39%という事情もある。(牛肉輸出国となるか?)

   「何にもまして、国の利益は農地を耕させる王である。」(伝道者の書5:9) 
   「貧しい者の開拓地に、多くの食糧がある。」(箴言13:23)

  ただし、『日本=(エゼキエル書の)ツロ』という聖書預言をとれば、「熟練者」(エゼ27:8)という言葉に代表される技術レベルの高い日本の”製造業”の重要性は、最後まで変わることはない


  @’ 必要最低限の住居の確保: 地価高騰、貧困層増大の諸事情により、憲法でも保障されている通り、低所得者・生活破綻者向けの格安住宅を政府主導で建設する。低所得者にとって、住宅費の占める割合は大きい。


  A 財源の問題: これまでの政府は莫大な借金の上に、さらに毎年のように予算編成で借金を積み重ねてきた。国と地方とをあわせた”長期債務残高”は、2009年度末で816兆円もある。
  一方、民主党をはじめとする各党のマニフェストは、ばらまきの競演であった。 年金・医療・介護費用の増加に加え、民主党の公約である”高速道路無料化”にしても、”子供手当て”にしても、その財源が明確になっていない。大不況で所得分の税収は減少している(一般税収は、1990年60兆円が、2010年は40兆円に落ち込む見込み)。 50兆円ほどの埋蔵金取り崩しや、(八ッ場ダムなどの)大型公共事業費削減、無駄遣いの排除といったような歳出削減は、数年の内にすぐに限界が来る。 また、現在 政府から独立運営している日銀に、国債を吸収させるにも限度がある。 そして、今の大不況下では、安易に”消費税”を上げることはできない
  さらに、温室ガス25%削減(1990年比、2020年まで)の目標は、各国では到底守れない数値である。これを実現させるためには、企業に多大な負担を強いることになり、回復しかけた景気に悪影響を及ぼし、企業の海外流出を招くだけであろう。25%削減すると、20年の時点でGDP(実質国内総生産)を3.2%押し下げ、失業者は77万人増加し、一世帯あたりの負担増は年間36万円にもなる。 製造業派遣の原則禁止、最低賃金引き上げなどの雇用問題でも、財界との利害が対立する。

  そこで、バブルのときに大もうけをしたような人々や企業など、一定額以上(たとえば1000万円以上)の預金から、年1−2%程度の”預金税”を徴収することを提案したい。人々が預金を”タンス預金”にしたらどのように額を見積もるのかという問題もあるが、眠っている個人資産は1500兆円もあり、これを放置する手はない。今の時期、国民に協力を求め、集めても問題が生じないと見られるところからは積極的に徴収すべきである。
  保有資産が市場で十分運用されないことが、デフレや不況の根本的な原因である。(→ ケインズ

   「利息や高利によって財産を増やす者は、寄るべのない者たちに恵む者のためにそれをたくわえる。」(箴言28:8)
   「急に得た財産は減るが、働いて集める者はそれを増す。」(箴言13:11)
   「(ミナのたとえ ・・・ 任せられた富に忠実か?)」(ルカ19:12−27)


  B 中国破綻への対応: 一時的かもしれないが、中国は暴動により共産党による一党独裁体制が破綻し、中国国内のみならず中国と取引するすべての国に波及して、経済は大混乱に陥る危険性が予想される。 中国政府の投資は、公共事業に大幅に偏り、しかも、官僚による上から下までの横領・わいろずくしのため、国内の内需拡大は起こらない。(事業投資金の5〜9割も官僚の各段階でピンはねされている。) 中国経済は、個人消費ではなく政府が購買力を握っている上、相変わらず米国への輸出に頼って いる。
  09年1月から前年比30%増の公的資金は、その75%がインフラ投資に向けられ、重点インフラ事業は特定の大企業向けの景気対策であり、アメリ カなどの重機輸出国の産業を支える側面もあるが、中国国内の中小企業への投資効果は少ない。これらの財政・金融両面の景気刺激策によって、今年の初めから 資産価格が上昇してミニバブル状態になってきた。しかし8月に入って、不動産価格も株価(8月は16%下落)も下がり、バブル崩壊の様相になっている。  すでに予算の90%も使っているので、今後は失速するだけであろう。

  中国の強みは、情報統制によって都合の悪い情報は小さく報道できる点であるが、今後は、それらのことが暴露され、中国国内で暴動が頻発し、共産党は解体に追い込まれ、一時期姿を消すだろう。(四川大地震の”おから工事”、ウイグル衝突の鎮圧時ウイグル人側の死者数は実は数万人、オセアニアやアフリカ南部における資源争奪にかかわる賄賂・搾取、等)
  中国との経済関係を重視する民主党の政策には、特にこのことを考慮して対応を考えていかなければならない。

   『共産主義は一時、地上から姿を消す』 (リックジョイナー、『収穫』(角笛出版) p218参照)


  * ブラジルの財政出動による景気刺激策も2009年末には終了する。2010年以降、世界は一気に”保護主義”へ移行する可能性がある。


  C 銀行再編:  貨幣はどこで発生するか? 日本のお金・円は、企業や個人が銀行に借金したときに、初めて、市場に出回る 有効なお金が出来る。国のお金でさえも、銀行から借りたお金である。年5%の経済成長率ならば、20年で全部無くなる。 したがって、企業は収益をそれ以上に上げられないならば、企業は潰れ、お金が無くなる人が出てくる。そして、実物の物や土地が銀行に取られることになる。 一方、銀行は法律により、預かったお金の9倍まで貸し出すことができ、そのお金は、日銀が貸してくれる。

  したがって、(1案): 日銀が銀行に貸し出すことを廃止する。 あるいは、(2案): すべての銀行を一本化(すなわち銀行の国営化)をする、必要がある。

  こうして後、国が国民や企業にお金を配れば、借金することは無くなり、単にお金がぐるぐる回ることになる。


   『経済的シフトが8月の終わりまでに起こるのに気をつけていてください。8月24日から10月17日の間に、金融システム に大いなる変化があるでしょう。銀行のシステムの変化はまだ全部完了していないことに注意してください。これから構造的なシフトが加速度を増して起こりま す。政府機関は人々の見ている前で再編成されて行きます。』
                         (09 8/22、チャック・ピアス、 http://ministries.exblog.jp/i4/


  D 軍備増強:  これは、主の御心が成るためである。もし日本が、エゼキエル書(26−28章)で語られているところの「ツロ」であるならば、ツロは岩島上の要塞都市であり、海軍力が秀でたきわめて強力な軍隊を編成するはずである。 安保に代表される米国の(不平等な)軍事的庇護は存続するが、その程度は弱くなる。かわりに、対中国、対北の軍備増強がなされる。(抑止力のための”核”も保有するかもしれない。) このためには、憲法9条の改正などの法整備が必要となるだろう。
  社民、国民新との3党連立は問題があるが、「エジプトの旗印(エジプト=現在のアメリカ)」(エゼ27:7)とあるように、アメリカの影響力がなくなることは無い。



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